銘板の耐候性について

2022年7月13日

耐候性とは、太陽光・温度・湿度・雨などの自然環境にさらされた材質が各種の汚染物質による酸化・変色・腐食などの老化作用に耐える性質のことを言います。環境にあった材質や製作方法を選択しなかった場合、例えばラベルなどは、色が劣化して表示が見えなくなってしまったり、金属銘板の場合、錆びてもろくなってしまったりなど様々な弊害が発生します。

今回は銘板の耐候性についてご紹介します。

耐候性

金属の耐候性

耐候性がある金属銘板として、弊社で取り扱っているステンレス、アルミ、真鍮についてご紹介いたします。

ステンレス

ステンレスとは鉄にクロムを10.5%以上含まれ、さらに炭素が含まれる割合が1.2%以下となる腐食に対して耐性のある合金鋼のことを言います。詳細は下記のコラムにてご紹介しております。

ステンレスの耐候性は、比較的悪環境下でもほかの金属に比べて優れています。ステンレスを英語で表記すると「Stainless Steel」となり、「錆びにくい鋼」という意味になります。

ステンレスが錆びにくい仕組みとして、鉄にクロムを添加することでクロムが酸素と結合して表面に薄い保護皮膜を生成します。この皮膜が錆びの進行を防ぎ、一度皮膜が壊れても周囲に酸素があれば自動的に再生する機能をもっているため、錆びにくくなっています。

ただし、特定の環境下、例えば海水のある環境下ではステンレスの種類によっては錆びてしまうため注意が必要です。

▶ステンレス鋼について

アルミ

アルミニウムとは、銀白色の軟らかく軽い金属で、耐食性や加工性、展延性に優れ、熱・電気の良導体です。また、材質の軽さのわりに強度に優れています。詳細は下記のコラムにてご紹介しております。

アルミは耐候性の高い材質ではあります。アルミは酸化皮膜と呼ばれる膜を自ら生成することで錆の発生や腐食を自然に防ぐことができる金属です。ただし、本来アルミニウムはとても酸化しやすい性質を持ちます。そのため、空気に触れると自然に表面に薄い酸化被膜が作られ、この被膜によって表面が保護されるので、アルミニウムは錆びにくくなる(腐食しにくくなる)のです。また、アルマイト加工という表面処理を行うことで、人工的に厚い酸化被膜を作り耐食性を更に強化することも可能となっています。

▶アルミ材について

▶アルマイト加工技術を用いた金属ネームプレート作成

真鍮

真鍮とは銅と亜鉛の合金です。特に亜鉛の混合比率が20%以上含まれるものが真鍮であり「黄銅(おうどう)」とも呼ばれます。詳細は下記のコラムにてご紹介しております。

真鍮は耐候性はあるものの、空気中では徐々に表面が酸化し酸化銅という黒ずんだ皮膜に覆われてしまいます。表面の黒ずみが皮膜となるため内部まで腐食することはないのですが、見た目には悪くなってしまいます。また、水分にも弱いため湿度の高い環境下では黒ずみや錆びの進行がみられます。これらを防ぐために、一般的にメッキ加工やクリアコートを施すことが推奨されています。

▶真鍮材について

▶めっき処理について

ラベルの耐耐候性との比較

上記では金属の候性についてご紹介しました。一般的に表示物として使用されることの多いラベルと金属の耐候性について簡単に比較していきたいと思います。

ラベルの耐候性

シールやラベルの材料は、表面素材、粘着剤、剥離紙の3層から構成されるロール状の素材です。また、紙系表面素材、フィルム系表面素材の種類に大まかに分類されています。

紙系表面素材は比較的低価格で種類も豊富ですが、水に弱く耐久性に劣る面があります。屋外などの使用にはあまり向かないと言えます。

一方フィルム系表面素材は耐久性、耐光性に優れているため様々な環境下で使用できます。ただしその分材料費は高価になります。

金属銘板とラベル銘板の適した使用環境

基本的には、屋外で使用したい場合は金属銘板、屋内での使用ならラベル銘板が適しています。金属の中でも耐候性に優れているのがステンレスです。金属銘板の場合、材質の劣化が起きづらく、例えばエッチング製法の場合、金属を彫り込んだ後に塗料を入れているので、仮に色が飛んでしまった場合でも表示を判別することが可能といったメリットもあります。

一方で一般的なラベルを屋外で使用する場合、貼ってから年数が経ってくると材質そのものがボロボロになってしまったり、色褪せてしまったりします。近年ではそれらを防止するために耐候性を高めた特殊な材質のラベルも出てきているため、屋外でラベルを使用したい場合は耐候性のある材質を検討したほうが良いでしょう。

耐候性は表示物を選定するうえで重要な要素の一つ

表示物は、どのような場所・環境に設置するのかを考慮することがとても重要となります。例えば屋外に設置する危険を警告する表示を、安いからとラベルで製作してしまうと、文字が消えてしまったり、破けてしまって表示自体が無くなってしまうかもしれません。また、そのことによって事故につながってしまうかもしれません。

一方で、室内で使用する製品で、ちょっとした表示をしたいといった場合に金属の銘板を使用するとコストがかかりすぎてしまったり、設置に手間がかかってしまうといったこともあるかもしれません。

使用環境や目的、どれくらいの予算を想定しているか等様々な条件がありますが、耐候性をしっかり考慮して材料を選ぶことが大切なのです。

当社の製作実績をご紹介

耐候性
ステンレス
説明銘板
金属銘板
エッチング
ネームプレート
製品分類説明銘板
素材ステンレス
使用環境屋外
仕様・規格耐候性
製作方法エッチング
業界交通
サイズ120mm×90

>>>本事例の詳細はこちらから

耐候性
名称銘板
アルミ
エッチング
ネームプレート
製品分類名称銘板
素材AL(アルミ)
使用環境屋外
仕様・規格耐候性
製作方法エッチング
業界鉄道・航空・運輸・物流
サイズ32mm×50mm

>>>本事例の詳細はこちらから

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