木製のベースに漆を塗り、蒔絵を施す。
従来の漆製品は全てが手作業、繊細で時間のかかる仕事でした。
ウルシゴトはその複雑な工程の一部を、プリンターで漆を印刷するという世界初の技術によって、より身近で自由度の高い漆製品を創造しようというプロジェクトです。
伝統工芸と工業技術、異なる分野の融合による新しい漆のかたちを提案してゆきます。


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zu04.png始まりは2009年。
(株)末吉ネームプレートと明治大学・宮腰研究室が川崎市の産学共同開発プロジェクトの支援を受けて始めた共同研究。
試行錯誤を重ね、漆ナノインクを使用し漆を金属に印刷するという革新的な技術を開発しました。
さらに「かわさき産業デザインコンペ2012」を経て、モノプロデザイナーズのデザイン、(株)小野屋漆器店からは会津塗りの匠の技が加わり、2014年、ブランド「ウルシゴト」が誕生しました。
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漆工芸技法の1つである「蒔絵」は、漆液で文字や絵を描いて、金粉を蒔き、また金箔を貼って加飾します。
私たちは工程の1つである「漆液で文字や絵を描く」という繊細な手仕事に代わる技術として、インクジェットプリンターとデジタルデータを使用して漆で絵を描き、加飾する方法を研究、開発いたしました。
この技術に使用されているのが「漆ナノインク」です。

「漆ナノインク」とは、微粒子化したナノ漆。
漆液(生漆)は精製漆にすることで、その粒子径はおおよそ1/10(10μmから1μm)になります。
漆液の精製には、せん断力をかけ、混練り撹拌を必要としますが、多くの場合処理の過程 で温度が上昇します。
漆液の脂質成分であるウルシオールを酸化させるために必要なラッカーゼ酵素は熱に対し不安定で、処理温度が50℃を超えるとうまく作用しません。
そのため混練り撹拌による温度上昇を押さえ、酵素の活性を維持しながら漆液を微粒化することが重要です。
私たちは冷却装置を備えた混練装置を用いていた方法を繰り返すことで、インクジェットプリンターのインクとして使用できる、特別な漆液を調整することができました。
こうして出来上がったのが「漆ナノインク」で、これは世界初の技術です。
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2012年、末吉ネームプレートは「かわさき産業デザインコンペ」へ「課題/協賛(課題提出)企業」として参加しました。
「かわさき産業デザインコンペ」とは川崎市の企業の持つ高い技術を生かした商品の開発にむけて、川崎市が開催するデザインのコンペティションです。おりしもこの年のテーマは「マテリアル新次元」。
漆ナノインクの技術を生かした商品開発の為に末吉ネームプレートが出した課題は「漆・蒔絵をステンレスに施した高級ギフト商品」というもので、商品からパッケージまでを含むトータルデザインでした。
この課題に応募してきたのが同じ川崎市に活動の場を置いているモノプロデザイナーズ。
この出会いを機にプロジェクトへ合流、ウルシゴトの活動は現実的な商品開発に向けて動き出しました。
ちなみに、コンペ時の応募作品「月見酒膳」がその後のウルシゴト商品(月シリーズ)のベースになっています。

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かわさき産業デザインコンペ2012 入賞作品「月見酒膳」
詳しくはこちらSquare_blk_Right.png
(かわさき産業デザインコンペサイトへ飛びます)
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ブランドネーム:ウルシゴト(漆事・URUSHIGOTO) 
漆のこと、漆の仕事、二つの意味を持たせた合成語。

ロゴマーク:
海外向けも意識して、漢字にアルファベットの組み合わせで日本らしさと読みやすさを持たせました。
伝統的な漆という素材を使いながらも印刷という現代的な手法を使うことから、グラフィックにはざっくりとした毛筆で日本らしさを表現する一方、モダンな英文字書体で引き締めました。
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